こんにちは、オコーナー(アイルランド語でTreasa Ní Chonchúir
、英語でTheresa O'Connor
)です。AppleでWeb標準チームのマネージャをしています。
W3Cは、その歴史において変革期の終わりにあります。法人組織への移行、理事長を持たない組織への移行、および新規CEOの就任ががほぼ同時期に起こり、この非常に困難な道のりを見事に切り抜けてきたこれまでの理事会の功績は賞賛に値します。この取り組みに携わってきたすべての人の功績と努力のおかげで、次期理事会は組織の安定した維持と運営に注力し、今後のW3Cの戦略支援に集中することができるでしょう。
W3Cは、今や会員が主導する組織になりました。次期理事会は、この組織のあり方に忠実である責任があります。指導的な立場にある者は会員に対して細かい注意を払わなければなりません。私が選出されたあかつきには、理事会のその他のメンバー、CEOとチーム、その他の選出団体、およびAdvisory Committee(諮問委員会)と協力して、組織の戦略が、会員のビジョンと優先事項に基づき、W3Cの最善の利益となることを約束します。
私には、意見の衝突や利害の不一致などによるさまざまな障害を乗り越えて、標準に関わる人たちが合意を見出すことを支援してきた実績があります。過去20年間、私は、ここW3CやWHATWGで、CSS、HTML、その他の基礎的なWeb技術に取り組んできました。仕様を編集したり、グループの議長を務めた経験もあります。2019年以来、私は TAGのメンバーとして選挙によって選ばれた役職についています。TAGでは、数百件のデザインレビューに参加、多くのWebプラットフォーム設計原則に貢献、Security & Privacy Questionnaire(セキュリティとプライバシーに関する質問票)を編集しました。また、異議申し立ての新しい取り扱い方法導入以降のすべてのW3C評議会に参加し、うち1つでは議長を務めました。当選のあかつきには、理事間での合意を形成した経験から、W3Cの運営、参加者、業務への深い知識を活用して、理事会の意思決定に情報を提供する仕事をしたいと思います。
Webの長期的な存続と隆盛を確かなものにすることへの私のコミットメントは、標準の仕事に携わる以前、大学卒業直後にWikipediaの創設エンジニアの1人として働き出したときから始まりました。私はキャリアの中で、大小さまざまな産業界や学界の組織のスタッフとして働きました。スタートアップや歴史ある機関でも働いたことがあります。ソフトウェアエンジニア、システム管理者、エンジニアリングマネージャ、標準規格の専門家としての経験があります。(私の職歴の詳細については、履歴書をご覧ください。)
W3Cは、30年にわたってWebの潜在的な可能性を最大限に引き出すようにリードしてきました。この先のW3CとWebの未来は明るいと確信しています。そのためにはもちろん、W3Cを指導するメンバーが、日常生活でWebを利用している世界中の何十億もの人たちと同じように多様であることが不可欠です。ACが多様なバックグラウンド、アイデンティティ、経験のある人の選出をこれからも優先することを望みます。